津軽新報提供

ライトの建築理念 基に

創業30周年記念
黒石の未来環境開発 県美で住宅<20日から>

今年創業30周年を迎える黒石市吉乃町の未来環境開発有限会社(筧正明代表取締役)は、20日から24日まで県立美術館コミュニティギャラリーで「『もしフランク・ロイド・ライトが青森で住宅を作ったら』 2024住宅展」を開く。アメリカ近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの建築理念に基づいて建築した住宅を紹介する。

美術館では同日から、旧帝国ホテルなどの建築で知られるフランク・ロイド・ライトの業績を新たな研究とともにたどる大々的な回顧展「フランク・ロイド・ライト―世界を結ぶ建築」 (5月12日まで)が始まる。住宅展は、回顧展に合わせた取り組み。

筧代表取締役(59)は「30周年の節目を迎え、会社として何か新しいことに挑戦したいという思いがあった」と説明。

昨年、県立美術館のライト展の企画を知り、筧代表取締役の息子で同社設計部門の筧建築設計事務所副所長の筧聡史さん(28)がライトの建築理念に基づく家づくりを発案した。

聡史さんはヨーロッパに渡り、海外の建築について見識を高めた経験を持ち「機能性のあるものを探していたが、雪国で造りやすく、シンプルかつおしゃれなデザインがフランク・ロイド・ライトという結論に至った」と語る。

筧代表取締役も学生時代、ライトの建築について学び、研究したことがあり「ライトが生まれ育ったアメリカ・ウィスコンシン州は青森のように雪が降る土地。青森でライトの住宅を建ててみよう」という発想で始めたと話す。

日本で唯一、フランク・ロイド・ライト財団からライセンス認定を受けている愛知県のJOA株式会社と提携することで、ライトの建築理念を受け継ぐ住宅の建築が可能に。

会場には、黒石市、青森市、五所川原市で建てる住宅の完成予想図や図面、模型などを展示する。入場無料で、時間は午前10時～午後5時(最終日は午後4時まで)。

筧代表取締役は「青森でもライトの建築を建てられるということをPRできたら。30周年を契機にさらにデザインの良い、美しい建物を作り、青森のまちを美しくしていきたい」と語った。