ZEHは3種の神器が必須!
国土交通省は2030年度を目標に新築戸建ての6割を「ZEH水準」への適合義務化を進めています。
しかし、ZEH水準の条件には、本来のZEHに不可欠な太陽光発電が含まれていません。
ここでは、本来のZEHを建てる重要性について紹介します。
断熱等級と1次エネルギー消費量等級
本来のZEHの紹介の前に、建築物省エネ法に基づく住宅性能の評価について説明します。
温熱環境とエネルギー消費量に関しては、外皮性能と省エネ性能をの要求値を達成する必要があります。
外皮性能の断熱等級と要求値
外皮性能は、外皮平均熱貫流率「UA値」が等級ごとの要求値を下回らなければいけません。
UA値は住宅の床や壁、屋根等から外にどのくらいの熱が逃げていくのかを数値化したもので、値が小さいほど優れた断熱性能になります。
2023年時点での断熱等級の最高等級は、2022年に新設された断熱等級7です。同年に、断熱等級5と6も誕生しました。
それまでは、1999年に新設された断熱等級4が最高高等級でした。
日本の断熱は、世界最低レベルで、アジア内でも下から数えた方が早いのが現状です。
外皮平均熱貫流率「UA値」=室内が屋外よりも1℃高いときに、窓・壁・屋根天井・基礎床から流出する熱量を外皮面積で割った値
UA値が小さいほど高性能
地域区分 | 2地域 | 3地域 | 備考 |
対象地域 | 平川市 (旧碇ヶ関村のみ) | 青森県全体 (旧碇ヶ関村を除く) | 青森県内は地域区分は2・3のみ |
断熱等級2 | 0.72 | 1.21 | |
断熱等級3 | 0.54 | 1.04 | |
断熱等級4 | 0.46 | 0.56 | 2025年から適合義務化 (おすすめできない性能) |
断熱等級5 | 0.40 | 0.50 | ZEH最低基準・HEAT20 G1レベル |
断熱等級6 | 0.28 | 0.28 | HEAT20 G2相当・オーガニックハウスは等級6.5 |
断熱等級7 | 0.20 | 0.20 | HEAT20 G3相当 |
省エネ性能の1次エネルギー消費量等級と要求値
省エネ性能は、「BEI」の値が要求よりも下回る必要があります。
BEIは1次エネルギー消費量の基準値に対する設計値の割合で、値が小さいほど省エネになります。
ただし、基準値は「1999年基準である断熱等級4の外皮」と「2012年ごろの標準設備」を想定したものであることに注意しなければいけません。
MIRAI HOMEは、ZEH最低基準である1次エネルギー消費量6等級でなければ、省エネには全く貢献できないと考えています。
BEI =1次エネルギー消費量の設計値 / 1次エネルギー消費量の基準値
*設計値:設計している建物の断熱性能や設備仕様に応じて算出されるエネルギー消費量
*基準値:1999年の省エネ基準である断熱等級4の断熱性能に、2012年ごろの標準設備を導入した住宅で予想されるエネルギー消費量
BEIの値が小さいほど省エネ
住宅性能表示制度 | BEI基準値 | 備考 |
1次エネルギー消費量等級4 | 1.0 | 2025年度から適合義務化 (お勧めできない性能) |
1次エネルギー消費量等級5 | 0.9 | |
1次エネルギー消費量等級6 | 0.8 | ZEH最低基準 |
本来のZEHの性能
本来のZEHでは、外皮性能と省エネ性能について、省エネ基準より高い「断熱等級5」と「1次エネルギー消費量等級6」をそれぞれ要求してます。
それらの性能に加えてもっつも重要になるのが太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入です。
再生可能エネルギーは、冷暖房等のエネルギー消費量を賄えるだけの容量を搭載する必要があります。
太陽光発電は、1度屋根に載せれば、炭素ゼロ・コストゼロで電気が使えるため、最高の節電設備として欠かせません。
ZEHの「3種の神器」
経済産業省の「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業調査報告会2022」によると、実際に建てられた全国のZEHの外皮性能や省エネ性能における実績値は、太陽光発電の容量を抑えるために、上記グラフの要求値よりも大幅に強化していることがわかりました。
このことから、ただ断熱等級5と1次エネルギー消費量等級6の基準をぎりぎり満たしただけのZEHの資産価値は下がっていくと考えられます。
熱と空気の勝手な出入りを減らす「断熱・気密」、少ない電力で熱と光をつくる「高効率設備」、炭素ゼロ・コストゼロの電気をつくる「太陽光発電」。これらの三種の神器はZEHに欠かせない要素です。
三種の神器 | 断熱・気密 | 高効率設備 | 太陽光発電 |
省エネ基準 | 断熱等級4 UA値0.56以下 | 1次エネ等級6 BEI値0.8以下 | 必要なし |
ZEH水準 | 断熱等級5 UA値0.50 | 1次エネ等級6 BEI値0.8以下 | 必要なし |
本来のZEH | 断熱等級5 UA値0.50 | 1次エネ等級6 BEI値0.8以下 | 冷暖房等のエネルギー消費量を 賄える容量の太陽光発電 |
実績値 | UA値0.51 | BEI値0.64 | 発電容量6.0kW |
省エネ基準とは、2025年から全ての新築住宅・建築物で必須となる断熱・省エネ性能です。
2030年度以降は、政府は「ZEH水準」の省エネ性能の新築住宅になることを目標にしています。
残念ながら、2025年度までにこれらの基準を満たさない新築住宅は少なからず建てられるでしょう。
上記の表からも分かる通り、実際に建てられている全国のZEHの性能 (実績値) は、ZEHの要求値よりも高いことがわかります。
実際のZEHでは、要求値よりも高いレベルを確保することで、必要な太陽光発電の容量を抑えることができます。
その結果、消費エネルギーよりも再生可能エネルギーの方が上回るゼロエネルギーを余裕で達成することができます。
2020年以降、新型コロナウイルスやウクライナ戦争、化石燃料の高騰等、歴史的な大事態が連続で発生しました。
在宅時間の増加、健康と快適、少ない電気代での生活を実現するZEHが必要な時代になりました。
日本は断熱性能・省エネ性能共に先進国最低レベルです。2025年度の省エネ基準を満たしても世界に並ぶ住宅とは言えません。
人件費、建材の高騰を受けて住宅価格も急上昇した現代では、これから建てる住宅は、簡単に建て替えることができません。
これから建てられる住宅は、2050年そして2100年も誰かが住んでいると考えてつくるべきです。
三種の神器を漏れなく導入すれば手に入る住まい
- 冬は暖かい
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断熱・気密と日射取得で無駄のない暖房。
- 夏は涼しい
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湿度も含めた快適性を確保。
- 健康・快適
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室内の空気をいつもきれいに保つ。
- 電気代も安心な暮らし
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省エネルギー×再生可能エネルギーで、電気が高騰しても心配なし。
- 全ての人へ
-
雪国でも誰もが世代を超えて健康・快適に安心して暮らせることを当たり前にする。
太陽光は必須!
役割と導入メリット
最近、「太陽光発電は導入すべきではない」という意見がインターネットを中心に広がっています。
しかし、MIRAI HOMEは太陽光発電は載せるべきだと考えています。まず初めに、「断熱・気密」「高効率設備」「太陽光発電」のそれぞれの役割を説明します。
- 断熱・気密
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1つ目の「断熱・気密」は、冬のヒートショック、夏の熱中症予防として重要な性能です。
ただ、日本では冷暖房の使用を控えようとする意識がいまだに根強いため、住宅全体の消費エネルギー量に占める冷暖房エネルギーの割合がもともと少ないです。
そのため、室内環境の改善には必須ですが、大幅な省エネ効果は見込みにくいと考えられます。 - 高効率設備
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2つ目の「高効率設備」は、導入すれば生活に必要な熱や光を少ないエネルギーで賄うことができます。
LED照明や自然冷媒ヒートポンプ給湯器等、設備の効率向上は断熱・気密の強化よりも効果が大きいが、全体的に大きな改善は見込めない状態です。 - 太陽光発電
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3つ目の「太陽光発電」は、住宅において唯一の実用的な再生可能エネルギーです。
1度導入すれば炭素ゼロ・コストゼロの電気がつくれるため、電気代削減につながる必須な設備です。
FIP制度と蓄電池
FIT制度とFIP制度
FIT制度「フィード イン タリフ (Feed-in Tariff) 」は、2012年に開始した再生可能エネルギーとして発電された電気を国が定める価格で一定期間、電気事業者が買い取るという制度です。
そして、2022年4月1日から再生可能エネルギーのFIP制度が開始されました。
FIPとは「フィード イン プレミアム (Feed-in Premium) 」の略で、電力を売買する際に、市場価格に一定の補助額 (プレミアム) を上乗せすることで、再生可能エネルギーの普及を支援していく制度です。
ここでは、FITとFIPの違いを説明していきます。
FIT制度とFIP制度の比較
上記のグラフから、FITは電気料金が高騰しても買取価格が固定されたままなのが分かります。
市場価格が上昇し、買取価格が下降する現状では、売電による収益を期待するのは難しいと思います。
一方のFIPは、市場の価格に補助額 (プレミアム) が加算されるため、FITよりも収益を確保しやすいです。
2022年まで一般家庭が電気を売るときに利用してきた固定価格買取制度のFITは、日中に発電した電気を自家消費し、余った分を売るために日中の電気の需要が多い時しか売れませんでした。
晴天時に電気が余るのは他の家庭も同じなので、電力会社に電気が余り、買い取ってもらえないこともありました。
電力会社の電気が足りなくなるのは夜、暑い日、寒い日等、発電できないときや家庭の消費量が増えるときです。
この状況を打破するために新しく制定されたのがFIP制度でした。
FIPの場合、日中に自宅でつくった電気を蓄電池やEV車に貯め、市場の電気が不足している時間に売ることが可能です。
青森県ではEV車が普及するのはまだまだ時間がかかりそうですが、今後は太陽光発電と蓄電池を搭載した住まいが普及すると考えられます。
まとめ
今後の住宅環境を考えるうえで、ZEHへの取り組みは不可欠です。
私たちMIRAI HOMEは、高い断熱性能と高効率設備、太陽光発電の導入を通じて、持続可能な暮らしを実現することに尽力しています。
エネルギー効率の高い住まいへの移行は、地球環境への配慮だけでなく、住む人々の快適さと経済性の向上にも貢献します。
ZEHの取り組みは、未来への一歩であり、私たちの生活を豊かにする重要なステップです。
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